※一部地域限定の製品を含んでいますので、御用命の製品及びサイズについては最寄りの営業までお問合せ下さい。
靭性モルタルライニング
表面被覆工法
特長
@優れたひび割れ抵抗性
従来工法に使用するポリマーセメントは、ひび割れが生じやすいという弱点があります。それに対し靭性モルタルは、多量の特殊繊維混入により、ひび割れ抵抗性が優れ、乾燥収縮等の亀裂発生を低減します。また、ひび割れ発生後においても、応力の低下が無く、ひび割れ幅がほぼ0.2mm程度に抑制できるため、耐久性の低下が少ない材料です。
参考文献:土木学会
- 「複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材の評価と利用」
- 「複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材」設計・施工指針(案)
●JSCE G 552 の曲げ靭性係数によるひび割れ抵抗性能

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: | 曲げじん性係数(N/mm2) |
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: | スパンの1/150となるまでの荷重 −たわみ曲線の面積(N・mm) |
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: | スパンの1/150のたわみ(mm) |
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: | スパン(mm) |
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: | 破壊断面の幅(mm) |
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: | 破壊断面の高さ(mm) |

材 料 | 曲げ靭性係数 |
靭性モルタル | 3.0 N/mm2 |
ポリマーセメントモルタル (繊維:0.5vol%) |
0.85 N/mm2 |
コンクリート | 0.77 N/mm2 |
●引張性能によるひび割れ抵抗性の評価


※引張終局ひずみ
「引張試験により得られた応力−ひずみ曲線中、最終的に応力が増加しなくなる直前の変曲点」
●ひび割れ抵抗性能の検証

ポリマーセメントモルタル
(補修後:表面のひび割れ事例)

靭性モルタル
A付着性
靭性モルタルライニングでは、現在最も有効であると評価されているウォータージェット工法を表面処理工法として採用しています。既設コンクリート表面の脆弱性を選択的かつ安全に除去するため、長期付着性を維持します。靭性モルタルは、この条件下において、プライマーを使用しなくても十分な付着性能を有しており、現場コンクリートの長寿命化が図れます。
B耐摩耗性
靭性モルタルは、他の材料に比べ2倍以上の耐摩耗性を有しています。このためライフサイクルコストの縮減が可能です。
C耐凍結融解・耐久性
靭性モルタルには、多量の繊維が混入しているため、架橋効果により凍結融解に伴う損傷や劣化を抑制します。またこの材料は、劣化因子が浸透しにくい要因により、高い耐久性を有しています。
D推定耐用年数
耐用年数は、JIS等の試験結果をもとに農業土木事業協会の開水路補修指針(案)等を参考に求めた推定年数です。靭性モルタルの耐用年数は、従来ポリマーセメントモルタルの2倍と推定されます。
項 目 | 靭性モルタル | 無機系表面被覆材 | |
摩耗及び凍結融解 | 35年程度 | 20年程度 | |
ひび割れ抵抗性 | 引張終局ひずみ | 0.5%以上 | 約0.02% |
現場追跡結果 ※1 | 施工1年目で ひび割れ無 |
施工3ヶ月内で ひび割れ発生 |
(ご注意)※1 同現場内の試験施工後のひび割れ発生状況のモニタリング結果です。
物性値(靭性モルタル TYPE−1®N)
試験項目 | 規格値 | 試験方法 |
圧縮強度 | 24.0 N/mm2 以上 | JHS 416 (JIS A 1171 & JIS A 6203) |
曲げ強度 | 8.0 N/mm2 以上 | JIS A 1171 (JIS A 6203) |
引張強度 | 3.0 N/mm2 以上 | ダンベル型一軸直接引張試験 (養生:温度20±2℃、湿度55±5%) |
引張終局ひずみ | 0.5 % 以上 | |
付 着 力 | 1.5 N/mm2 以上 | JHS 416 (JIS A 1171) |
硬化収縮率 | 0.05 % 以下 | JHS 416 |
透 水 量 | 1.5 g 以下 | JIS A 1404 (水圧:3.0kgf/cm2) |
摩 耗 量 | 3.5 g 以下 | JIS K 7204 (摩耗輪:H22、荷重:9.8N) |
曲げ靭性係数 | 2.3 N/mm2 以上 | JSCE G 552 |
凍結融解試験 | 97.0 % 以上 | JIS A 1148 凍結融解試験サイクル300回後 |
熱膨張係数 (×10-5/℃) | 2.0 以下 | JHS 416 |
短繊維混入率 | 1.6 vol% 以上 | − |
粗度係数 | 0.0107 (試験値) |
(ご注意)付着力は、JIS A 1171 (温冷繰返し試験後)、JHS 416 (湿潤時、アルカリ性試験後、温冷繰返し試験後)の条件での最低数値を示す。
仕様(標準使用量)
A材粉体 | B材短繊維 | C材添加剤 | 水 | |
1袋当りの標準使用量 | 20 kg | 0.26 kg | 5.0 g | 3.5 〜 3.8 L |
1m3 当りの標準使用量 | 1630 kg | 21.2 kg | 407.5 g | 285 〜 310 L |
工法手順
1.下地処理
2.下地処理完了
3.材料攪拌
4.モルタル吹付け
5.コテ仕上げ
6.完了
施工例

開水路

導水路トンネル

道路ボックスカルバート